元ひきこもりのゆるふわ社会生活blog

元ひきこもりが社会生活を徒然なるままに書き綴ります

タイの彼氏

タイ・バンコクへ一人旅に行った時のお話。

 

5年勤めていた会社を辞め次の職場へ出社するまでの約1ヶ月、僕は久々に人生の夏休みを謳歌していた。このままダラダラして1ヶ月過ごすのも良いが、旅行作家の本を読んだりPodcastを聞いたりすることにハマっていたため旅に出ることにした。特段用事がなければ家にずっと引きこもってばかりいるので思い切って海外旅行しようと考えた。海外の一人旅は初めてだったので行き先に迷ったが、バックパッカーといえばバンコクでしょという安易な発想から目的地をタイ・バンコクに決めてしまった。インターネットで航空券とホテルを予約し、ゾウと戯れるオプショナルツアーも無料で参加できるとのことだったのでなんか面白そうと思ってそれにも参加することにした。

 

旅行初日。成田空港で飛行機に乗り込み日本にお別れを告げる。離陸の瞬間、脈打つ鼓動がわかるのは緊張しているせいなのだろうか。しばらくして飛行機も水平飛行に入り騒音も消え、周りの会話も聞こえるようになった。どうやら僕の隣2席と前方の3席は僕と同年代の大学時代の友人の集まりのようだ。野郎の集まりである。マジかよ、積読してた本を読みたいんだからテンションぶち上げで騒ぐのはやめてくれよと心の中で思う。本を読み始めたが隣で話す会話が自然と耳に入ってくる。結婚を考えている彼女がいるらしく、来月の彼女の誕生日にまた旅行へ行くらしい。プレゼントの話や相手のご両親へのご挨拶など20代後半となってくるとそういうもんだよなぁと、まぁ俺には縁のないことだと自分の境遇と比べてしまう。てかこの旅行が終わったら彼女と結婚するんだ!なんて死亡フラグ立てるのやめてもらっていいですか?映画だったらあなたに巻き込まれで死んじゃうパターンですよね。

 

なんてそんなハプニングはなく無事タイに到着した。飛行機から現地に降り立った瞬間のあのムンムンとした熱気と匂いは海外に来たんだと実感させられる。入国審査を済ませ成田空港で預けたスーツケースを探す。探す、探す…探す……あれ見当たらない。30分以上空港内をウロウロし初っ端からのトラブルに泣きそうになった。係の人に事情を説明したところ探している場所が違っていたらしく1つだけ虚しくベルトコンベアを流れる僕の相棒と再会した。

 

初っ端のトラブルとは一転してそれ以降は大きなハプニングもなく旅行していた。3日目の朝、申し込んでいたオプショナルツアーの集合場所に向かう。何名か先に到着していた。異変に気付いたのは全員が集合した時だ。ツアーの参加者は全て日本人で僕以外はカップルか友人同士の集まりなのだ。安易に面白そうと思ってオプショナルツアーに申し込んだ旅行前の自分を恨んだ。好き好んで疎外感を味わいたい奴なんているか。バスに乗り込み添乗員の説明が始まる。目的地に到着するまで何箇所かお土産屋さんに向かうらしい。高校時代、休み時間に学校内を練り歩き時間を潰していた昔の自分を思い出す。

 

そんな苦痛の時間を終えやっと目的地についた。何頭ものゾウが僕たちを待ち受ける。ゾウを見たのは子供の頃行った動物園以来である。やっぱゾウってでけぇなと沈んでいた気持ちをちょっと持ち直した。この場所ではゾウの背中に乗って森や池の中をグルグルと1周するらしい。列に並び順番を待つ。1組ずつゾウに乗り込んでいき出発と同時にはしゃいでいる声が聞こえてくる。目の前にいる女子大生3人組の番がきた。まさかなと心の中で感じていた出来事が現実となる。ゾウには2人しか乗れないのでその女子大生3人の内2人が先に乗り込む。あとの1人はどうなるのと思っていたが、係の人に誘導されどうやら僕と一緒に乗るらしい。あぁ、また高校時代の2人組作ってーの悪魔の呪文の再来かとトラウマが蘇りながらゾウに乗り込んだ。

 

今朝の集合場所に到着してから完全に人見知りモード全開でスイッチを完全にオフにしていたが、開き直って社会人経験で培ってきた営業トークと営業スマイルを駆使し女子大生と話し始めた。隣に座っている女子大生は大学4年生で社会人になる前にいっぱい旅行しておきたくて手始めにタイにきたそうだ。そんなたわいもない会話をしながら僕たちの前をゆっくりゾウに乗って進む女子大生2人組からスマホで写真を取られる。思いっきりの変顔とピースサインでサービス精神を発揮する。1周ぐるっと周りゾウから降り、観光地特有の写真撮っておいたんで買ってきなよと現地人の営業が始まる。前にいた女子大生2人組からタイの彼氏じゃんwなどといじられまくった。どうもタイの彼氏で〜す。またタイに来たときに連絡頂戴よ、なんて言いながら隣に座ってくれた女の子に写真をプレゼントした。

 

良い思い出ではあるが、一人旅の時は絶対にオプショナルツアーは申し込まないと決心した。

 

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